様々な事情で現在通っている高校から通信制高校を考えている方の中で、通信制高校から大学進学できるのかな?大学進学に不利にならないのかな?と心配されている方もいらっしゃると思います。本記事では、通信制高校からの大学進学実情、塾や予備校は必要なのか?などについて解説します。

通信制高校に転校して難関大学に進学は可能?大学受験に塾や予備校は必要?

いろいろな事情で通信制高校への転校を検討しているご家庭にとって、通信制高校から大学進学できるのか?心配になりますよね。日本は、学歴があればよい企業に就職できる学歴重視の傾向が強いです。そのため、どうにかして、大学には、進学したいと考えている人も多いのではないでしょうか?そこで本記事では、通信制高校からの大学進学の実情、塾や予備校は必要なのかなどについて解説します。お子様を通信制高校から大学進学させたい保護者は必見です。

通信制高校の大学進学の実情

通信制高校からでも大学へ進学した人は存在します。そもそも通信高校とは、毎日学校に通う全日制の高校とは異なり、郵送やパソコンの通信を通して単位を修得していく学校です。全日制の高校のように、毎日通学することを苦手とする子どもや、スポーツや芸能活動など、学業以外の活動に専念したい人など、さまざまな人が通っています。

「学校基本調査 2023年度(令和5年度)速報値」によると、通信制高校の生徒が26万4,797人(前年比11.1%増)になったというデータが発表されています。全国に通信制の学校は274校あり、また、2022年3月の通信制高校卒業者は7万993人。うち大学進学者は1万2,722人で大学進学率は17.9%。上記の理由から、通信制の学校でも大学進学は可能です。

ただし、全体の大学進学率は56.6%なので、通信制高校の大学進学率とは大きな差があることが文部科学省が発表するデータでもわかります。

やはり、データを見る限り、通信制高校からの大学進学は無理なのでは?と思ってしまいがちです。では、なぜ、通信制高校からの大学進学率が低いのかを大きく2つの理由があると考えます。

進学を希望する生徒数の違い

このデータはあくまでも「卒業者全体」の中の割合であるということです。ようするに、「大学進学を希望した人」の中での割合ではないのです。

そもそも、卒業直後に大学進学を志望していない人は、多数います。まず、通信制高校で学習している人のうち、約3割が働きながら高校に通っていることが調査からわかっています。すでに就職して生活が落ち着き、昔学べなかったことを学びたいと勉強している人たちです。さらに、将来、やりたいことがあり、Wスクールで通信制高校と並行して専修学校に通っている人、スポーツや芸能活動に打ち込み、卒業後に本格的に活動しだりする人もいます。体調がすぐれずに不登校を繰り返すことで、大学への進学をあきらめている生徒も多く、通信制高校の進学率の低さと関係していることがわかります。

学習のカリキュラムの違い

通信制高校は、人間関係の悩みや経済的な事情、通学以外に使いたい時間があるなど、どのような背景を持った人でも高卒資格の取得に向けて柔軟な学習やすいカリキュラムになっています。そのため、全日制の進学校といわれるような、高校みたいに大学進学に特化したカリキュラムが組まれている高校はあまり見られませんし、大学進学を目指すコースが設けられている高校もそれほど多いとはいえません。前項でお話した通り、大学進学を希望する生徒数そのものが少ないからともいえるでしょう。そのような通信制高校の特色も進学率の低さに反映されていると考えられます。

以上のように、通信制高校の進学率が全日制高校よりも低いことには、通信制高校における大学進学を希望する人数や、通信制高校のカリキュラムが関係しているといえるでしょう。

通信制高校から大学進学を勝ち取るためには…

では、大学進学を希望する生徒が、通信制高校から大学に進学するにはどうすればいいのか?確かに、難関大学への合格者を多数出している進学校で学ぶ生徒と比べると、学習内容で不利と言えます。ですがそれは、「通信制だから」不利というわけではなく、「進学校ではない、普通の全日制高校」でも同じことです。つまり「通信制かどうか」ではなく「学習の中身」を考えることが大切です。それぞれの通信制高校のカリキュラムをふまえ、足りない面は学校以外で補うようにすれば、大学進学も十分にめざすことができます。

大学に通うなら塾・予備校に通うべき?

通信制高校に転校して、大学に進学したいのであれば、塾や予備校に通うのがおすすめです。塾や予備校を選ぶ際にポイントになるのは、通信制高校での学習量の少なさを補ってくれること。教科書レベルの学習を徹底指導してくれること。また、中学校や高校を休みがちで、基礎に自信のない方は、その学習のやり直しや基礎の強化をしてくれる所を選びましょう。全日制高校に通っていても、教科書レベルの基礎問題を疎かにしている生徒は大学受験では、成功しません。基礎学力のない状態で塾や予備校で応用問題に取り組んでも成績はあがりません。

塾や予備校によって方針は違いますが、合格するには基礎学力が重要であるため、塾や予備校を選ぶ際には、個別に合わせて基礎から徹底指導してくれるかを選ぶ基準のひとつにすることをおすすめします。

以上のことから大学へ合格したい人は塾や予備校には通うとよいでしょう。とくに難関大学をめざしている人ほどおすすめです。

通信制高校から難関大学を目指すには

通信制高校から難関大学をめざすには、以下のことが必要です。詳しく解説します。

大学進学コースを選ぶ

コースは必ず大学進学コースを選ぶようにしてください。大学入試向けのコースを選ぶことで大学進学の授業が受けられるのはもちろんのこと、手厚い進学サポートが用意されています。また、指定校推薦をもち合わせている通信制の高校もあるため、コースを選ぶ際は大学進学に関連したコースにしましょう。

受験対策時間を作る

通信制高校の一番のメリットは、時間に余裕がある点です。そのため、時間を作りやすく自分で学習プランを組んで勉強できます。どれだけ質のよい勉強をしても、量(時間)がなければ難関大学に合格することは、ほぼ不可能と言っても過言ではありません。通信制高校は、全日制の学校と比較すると学習時間を確保できるため、受験においては有利です。

塾や予備校に通う

難関大学を合格するうえで、塾や予備校に通うことも欠かせません。塾の形態は、集団や個別指導、そしてオンラインなど様々にあります。家庭教師の方も、実際に家に来てもらうほか、最近ではオンライン型も増えています。それぞれに難関大学向け・中堅大学向け・高校の定期テスト対策などの特色がありますので、ぜひ確認してみましょう。

特に、一人一人に寄り添った指導ができる「個別指導型」は人気が高いです。また、通学が苦手な方には、オンラインでの指導は最適です。また、塾や予備校では、同じ志をもった人が多く、モチベーションアップにもつながります。とくに人間は環境に影響されやすいとされているため、自力で勉強できないという人は、入会することをおすすめします。

その際は、「合格メソッドWITH」もおすすめです。お子様のスタイルに合わせて、オンラインで個別に最適な学習をサポートします。

まとめ

この記事では、通信制高校に転校して、難関大学に合格できるのかについて解説しました。結論、通信制高校でも合格できます。また、通信制だからこそ、勉強や塾へ行く時間を作りやすいメリットがあります。ほかにも塾や予備校に通うことで合格までの道のりは近づくでしょう。

ただし、受験勉強において大切なのは、やり切ることです。塾や予備校、進学コースの選択など、どれだけ合格のために環境を用意しても、それを使いこなせなければ意味がありません。そのため、少しずつでもいいので勉強する癖をつけましょう。